「Looking Through The Glass」は二名の奏者によるサウンド・パフォーマンス・システム。一組のみ、または二本のスピーカの距離を縮めればソロでの「演奏」も可能なのだが、二名の「かけひき」が誘起する音の多様性を求めた結果この図の様に、少し「意地悪」な仕掛けになってしまった。自演したことで分かったのは、大変な集中力が要求されるということ。しかも合点のいかない場面になると、振り返ってもう一名の姿を「生」で確認したくなるような焦燥感に苛まれ喉がひりひりした記憶がある。だがそこにこそ、このシステムの本領があるのであって、もう1度やる機会があったら「決して振り向かないこと」を指示書きとして加えておくつもりだ。ついでに「絶対」も加えて。
メルボルン スタジオ200